デイサービスとデイケアの違いとは?現場の裏側からみた3つの注意点!

介護・福祉サービス

デイサービスとデイケアの違いがわからない・・・

デイサービスにするか?デイケアにするか?迷っている・・・

リハビリを受けさせたいけど・・・どっちがいいの?

なんて悩んでいませんか?

せっかく、ご家族に通ってもらうんですから、ご家族の障害や好みに合った介護サービスを選びたいですよね?

デイサービスとデイケアには大きく3つの違いがあります。

それは、

  • 料金に差がある。
  • 医師や看護師がいるのか?
  • ちゃんとしたリハビリをしてくれるのか?

という違いなのですが・・・

インターネット検索など一般の情報で出てくる内容は、あくまで国が決めた定義に基づいた内容で、実際の現場では少し違う内情になっています。

現実を知らずに、デイサービスやデイケアに通い始めてから、

「こんなはずじゃなかった・・・」

なんて事も少なくありません。

私は、理学療法士として18年お仕事をさせて頂いていて、デイサービスもデイケアも多くの事業所に出入りしてきました。

今回は、デイサービスとデイケアの違いを、一般の情報では出てこない、実際の現場の裏側から語りたいと思います。

この記事を最後まで読んでいただくと、デイサービスとデイケアのリアルな現実を知る事ができ、満足のいく介護サービスを選ぶ事ができます。

デイサービスとデイケアの違いは?

まずは、デイサービスとデイケアの大まかな概要から説明していきます。

デイサービスとは?

デイサービスとは、一般的に”通所介護”と呼ばれるところで、主に”介護”を目的として通うところです。

  • 自宅からの送迎
  • お風呂に入る介助
  • おトイレの介助
  • 食事の介助

などを基本として、その他にも

  • レクリエーション
  • 趣味活動
  • グループ活動
  • 季節的なイベント

なども提供してくれる介護保険のサービスです。

現在では、リハビリ特化型はもちろん、お料理やギャンブルに特化したデイサービスなども出てきています。

デイケアとは?

一方、デイケアとは一般的に”通所リハビリテーション”と呼ばれており、その名の通り”リハビリ”を目的として通うところです。

サービス内容としては、デイサービスと同じように、

  • 自宅からの送迎
  • お風呂に入る介助
  • おトイレの介助
  • 食事の介助

などを基本として提供してくれますが、リハビリが主体ですので、事業所によっては少し内容が変わります。

  • レクリエーション
  • 趣味活動
  • グループ活動
  • 季節的なイベント

なども、提供してくれますが、これも事業所によっては提供していないところもありますので注意が必要です。

介護の内容がほとんど同じなら、ちゃんとリハビリしてくれるデイケアの方が良いに決まってるよ!

なんて・・・早合点しないで下さいね。

デイサービスとデイケア。

名前が違うだけあって、サービス内容がそれぞれ違うんです。

では、その違いを3つに絞って説明していきます。

次の項から、

  • 料金の違い
  • 人員配置の違い
  • リバビリ内容の違い

という、3つの違いを説明致しますが・・・

この3つの違いの中で、一般の方々には知りようの無い、現場の内情からみた注意点も含めて、それぞれ説明致します。

料金の違い

料金は各自治体で変わりますが、東京都の場合では、

 デイサービス デイケア
要介護1581円710円
要介護2686円844円
要介護3792円974円
要介護4897円1,129円
要介護51,003円1,281円
※利用者負担1割で1回につき

と、なっていますので、デイサービスの方がデイケアより200円ほど安くなっています。

一回が約200円の差ですから、週に2回通うとすると、1ヶ月で約1600円の差になります。

お風呂や食事があってレクリエーションもできて、リハビリをしっかり受ける必要が無ければ、デイサービスの方が安く済みますね。

ここで注意!

この料金は、デイサービスでもデイケアでも、あくまでも基本の料金です。
介護保険では追加加算というものがあり、個人々で受けるサービスによって基本料金に追加の料金がかかります。

また、デイケアでもデイサービスでも、レクリエーションやイベントなどの費用として、介護保険とは別にサービス内容によって実費で別料金がかかるところもあります。

特に、特化型のデイサービスは注意が必要で、介護保険の基本料金に加えて、実費でけっこうな額の追加料金がかかるところもあります。

いずれの場合でも、サービスを受ける前にしっかり確認しておいた方が良いですね。

人員の配置基準の違い

デイサービスやデイケアには、いろいろな職種(資格)のスタッフが居ますが、このスタッフの職種や人数は、

〇〇の職種は、必ず◯人以上は居なければいけませんよ。

と、介護保険で配置の基準が決められています。

デイサービスでの配置基準は、

  • 生活相談員=1名以上
  • 看護職員=1名以上
  • 介護職員=1名以上
  • 機能訓練指導員=1名以上

となっており、一方デイケアでの配置基準は、

  • 医師=1名
  • 理学療法士、作業療法士、言語療法士のどれか=1名以上
  • 介護職員=1名以上
  • 看護職員=1名以上

と、なっています。

デイケアでは、医師やリハビリの職種が必ず居ないといけないよ!となっていますので、リハビリが目的の方や病気への対応が心配な方に最適なのが、この配置基準をみていただければ一目瞭然だと思います。

ここで注意!

この配置基準は、条件によって兼任が可能で、同じ人が何役もこなす事ができます。

例えば、デイサービスでは看護師と機能訓練指導員が同じ人だったり、介護職と生活相談員が同じ人だったりして、配置基準があるからスタッフが多くて安心だろうと思っていたら、スタッフが2人しか居なかった・・・なんて事もあるので、利用する前に見学しておいた方が良いですね。

デイケアでは、医師が病院や施設と兼任できるので、常に医師がデイケアに居るわけではありません。
デイケアの場合の医師は、病院か施設かに居る医師が必要な時に呼ばれるだけで、医師が常駐しているデイケアは見た事がありません。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にしても、病院や施設と兼任できますので、常にデイケアでウロウロしているわけではなく、必要な時にデイケアに来るのが普通です。

リハビリ内容の違い

デイサービスでのリハビリは、基本的に看護師や介護士が行いますので、皆で体操したりする程度のリハビリになります。

ただ、昨今では理学療法士などのリハビリ専門職がいるデイサービスも増えてきましたので、リハビリ専門職の簡単なリハビリを受けられるところもあります。

また、リハビリ特化型のデイサービスでは、理学療法士などのリハビリ専門職がリハビリメニューを組んでいますので、リハビリ中心のサービスが受けられます。

一方、デイケアでは理学療法士などのリハビリ専門職が、本格的なリハビリをしてくれます。

最低でも、20分程度は1対1でリハビリをしてくれますし、レクリエーションや趣味活動にもリハビリ専門職が関わり、リハビリの概念を取り入れた内容で行ってくれます。

ここで注意!

デイサービスでは、機能訓練指導員という役割で、理学療法士などのリハビリ専門職がリハビリをしてくれるところもあるのですが、ほとんどの場合は看護師さんがやっているところが大半です。
リハビリをやってくれたとしても”おまけ”程度で考えていた方が良いでしょう。

リハビリ特化型のデイサービスでは、病院のようなリハビリをやってくれると思いがちですが、だいたいはトレーニングジムのように自分で筋力トレーニングをしたり、集団で体操をするようなメニューでやっているところが多いですね。

更に、リハビリ特化型のデイサービスは、リハビリに特化している分、利用できる時間が半日だけだったり、入浴も無く食事も簡単なものだったりしますので、利用する前にサービス内容をしっかり確認しておく必要があります。

デイケアでは、個別でリハビリを受けたければ”個別機能訓練加算”という追加料金を払わなければいけません。

1対1で20分程度は病院のようなリハビリをしてくれますが、理学療法士の立場からすると、20分程度というのは時間が短すぎて満足のいくリハビリができるとは言えません・・・。

40分とか60分とか、じっくりリハビリに取り組みたい方は、訪問リハビリというご自宅でリハビリを受けられるサービスもありますので、担当のケアマネージャーに相談されると良いでしょう。

まとめ

介護保険を受けられている方は、程度の差こそあれケガやご病気で障害を抱えた方ですので、リハビリはぜひ受けたいサービスでしょう。

最近では、理学療法士などのリハビリ専門職が経営者のデイサービスも増えてきましたので、昔と比べるとデイサービスのリハビリもレベルが上がってきています。

ただ、リハビリの内容も大事ですが、料金もサービス内容によって差が出ますので、注意が必要です。

基本料金は、介護保険を受けていればデイサービスでもデイケアでも、そんなに大きく違わないので基本料金で迷う事は無いでしょうが、サービス内容によっては追加料金がかかりますので、サービスを受ける前に確認だけはしておいて下さい。

特に、特化型のデイサービスは実費の追加料金がけっこうかかるところもありますので、決める前に必ず確認して下さい。

何より、サービスを受けるのは利用者様ご本人である事は忘れないで下さい。

リハビリは、ご本人がやる気にならないと効果は出ません。

デイサービスやデイケアには来ているけど、

リハビリなんかしたくない!

と、必死で拒否される方を何人も見てきています。

デイサービスでも、デイケアでも、ご利用前に見学したり体験利用をしたりして、ご本人が気にいるかどうかをキチンと確認してあげて下さい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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