病院というところは、人生が始まるところでもあり、終わるところでもあります。
だからこそなのか、不思議でスピリチュアルな体験をよく耳にします。
私自身、不思議な体験を何度か経験しています。
今回は、そんな私の実体験を語りたいと思います。
スピリチュアルとは?

テレビなどのメディアでスピリチュアルという言葉をよく耳にしますが、意味は何となくしか分かりませんよね?
スピリチュアルとは、もともとキリスト教用語で、霊的・精神的・超自然的・魂などに関する事柄を指します。
日本では、守護霊・死後の世界・霊的なパワー等で、悩みや人生の苦しみを解決する、自己啓発的な意味で語られる事が多いようです。
スピリチュアルと心霊現象との違い

スピリチュアル(霊的な)は、スピリット(霊)の形容詞形になりますので、言葉としては心霊現象と同じ意味なのですが、一般的には、
↓↓↓
守護霊や霊的なパワーなどで悩んでいる人を救う
↓↓↓
幽霊などの怖い体験
というイメージがありますよね?
ですので、ここでは、
↓↓
良い話
↓↓
怖い話
という意味合いで語らせて頂きます。
心霊現象は看護師さん達が夜勤の時などに、たくさん体験していらっしゃいますので、看護師さん達から聞いた怖い話は、またいつか記事にしますから、乞うご期待を!
私が体験したスピリチュアルな出来事

では、私が病院勤務の時に体験した、スピリチュアルな出来事を3つ語りたいと思います。
患者さんの臨終に呼ばれた病院訪問
私がまだ学生の頃、インターン実習でお世話になった病院に、ご挨拶に行った時の話です。
インターン実習では、患者さんを担当させてもらい、担当させて頂いた患者さんにリハビリをさせてもらいます。
私が担当させて頂いた患者さんは、脳梗塞で入院されていらっしゃった方だったのですが、症状は軽くお元気な方でした。
お元気でしたので、訓練室での基本的なリハビリよりも、外に出る屋外歩行訓練など応用動作がメインのリハビリを行っていました。
この患者さんがすごく良い方で、ご自身が病気で大変な時なのに、いつも私を励まして下さいました。
インターン実習が終わって学校に戻る時も、玄関まで見送りに来てくださって、

必ずまた面会に来いよ!
待ってるからな!
と、また会う約束をして別れました。
国家試験も終わり、時間に余裕ができた頃、

そうだ!
インターン実習でお世話になった病院に、ご挨拶に行こう!
と、突然ひらめいたのです。
普通は、バイザーを担当して下さった理学療法士の先生に、お手紙などでご挨拶するのが通例なのですが、インターン実習で担当させていただいた患者さんにも会いたくて、直接ご挨拶に伺う事を思い立ったのです。
病院までは、距離が遠かったので、午後から伺おうとアポを取るために電話をすると、

今日は忙しいんで、早い方がいいな。
悪いけど、10時に来てくれる?
との返事。
私は承諾して、すぐに出発しました。
時間的にはギリギリですが、何とか間に合いそうです。
担当させていただいた患者さんにも会えるのが楽しみで、遠い病院までの運転も苦になりませんでした。
何とか間に合う時間に病院に着き、駐車場から病院まで歩いていると、

あれ?
この前来てた学生さんじゃない?
と、病院の事務員さんに声をかけられたのです。
インターン実習の時は、挨拶すらまともに返してくれない不愛想な事務員さんでしたが、今日は何故か親しげに話して下さいます。
お話がなかなか終わらず、15分ほど経ってようやく病院に向かう事ができました。
裏口から廊下を通り、リハビリ室に向かおうとすると、亡くなった患者さんを乗せたストレッチャーとすれ違いました。
その後ろには、看護師長が付いており、会釈をして通り過ぎようとすると…

あら?学生さんじゃない?
ちょうど良かった。
あなたが担当していた患者さんよ。
ご挨拶しておきなさい。
と言われて、びっくりしました。
ストレッチャーで運ばれていたのは、インターン実習で私が担当させて頂いた、あの患者さんだったのです。

え!?
あんなにお元気だったのに…
また会う約束したのに…
なぜ…
私は慌てて後ろから付いていき、霊柩車に乗せられていく患者さんを見送りました。
後ほど看護師長に事情を聞くと、その日の朝まではお元気だったのに、突然急変して亡くなったとの事。
私がインターン実習を終えて帰った後も、私の話ばかりして下さっていて、

また会いに来てくれるって約束したから待ってるんだよ!
と、私との再会を楽しみにしていて下さったようなのです。
もし、あの日、病院に挨拶に行こうと突然ひらめかなかったら…
もし、あの日、予定通り午後から病院に伺っていたら…
もし、あの時、不愛想な事務員さんが話しかけて下さっていなかったら…
私は、あの患者さんに再会する事はできなかったのです。

あれはきっと、患者さんが私を呼んで下さったんだ…
直接会えるように時間まで調整して…
私は、帰り道を運転しながら涙が止まりませんでした。
今でも、あの患者さんと一緒に撮った写真をお守りとして、いつも財布に入れています。
認知症の患者さんの不思議な言葉
あれは、私が病院に勤めはじめて6年が経った頃でした。
私が担当していた患者さんに、脳出血で認知症を患った86歳のおばあちゃんがいました。
この患者さんの認知症はかなり重度で、今いる場所も自分の年齢も息子さんの名前もわからないどころか、妄想で支離滅裂な発言が目立つような状態でした。
話して下さる内容も、現実離れしていて、

昨日ね、久しぶりに家に帰ってきたわ!
と、話して下さいましたが…
入院前のお住まいは九州でしたし、ご自宅は既に取り壊されています。
何より、昨日はずっと病室にいらっしゃいましたし、誰も面会にすら来ていません。
しかし、認知症の方への対応として、否定するのはタブーですので、私は話を合わせます。

良かったですね~!
ご自宅は遠いから大変だったでしょう!
と、私が返すと、

なに言ってんの!
窓から見える、あのお城が私の家よ!
久しぶりに歩いたから疲れたわ。
という答えが返ってきましたが、窓からお城なんか見えませんし、そもそもこの患者さんは歩けません。
ある日、病室でリハビリをしていると、この患者さんからお願いがあると言われました。

あのね。
昨日の夜ね、主人が来て墓参りに行きなさいって言うのよ。
すぐ近くだから、連れていってくれない?
ご主人は20年ほど前に亡くなっていらっしゃいますから病院に来れるわけはありませんし、お墓は九州ですからすぐ近くだなんてとんでもありません。
しかし、否定してはいけないので、

わかりました。
私はまだ仕事があるので、ご家族に連絡してみますね。
否定してはいけないと言ってもウソはつけませんから、その日のうちにご家族へ連絡しました。
ご家族に事情をお話すると、

そうなんですか?
確かにお墓は九州にあったんですが、先日近くにお墓を移したばっかりなんですよ。
まだ誰にも話してないのに、何で母が知っているんですかね…
こうして、ご家族がその患者さんをお墓参りに連れて行って下さる事になって、患者さんもすごく喜んでいらっしゃいました。
きっと、お墓が近くなった事を知らせるために、ご主人の霊が患者さんを呼びに来て下さったんだと…
夫婦の愛はお亡くなりになっても変わらないんだな…と、感動しました。
ガンを治してくれた霊媒師
これは、病院での出来事ではありませんが、私が41歳の時にプライベートで体験したスピリチュアルな出来事です。
私は、41歳の時に胃ガンを宣告されました。
病院の定期健康診断で発見されたので、病院での診断はステージ1A期、リンパ節転移がまだ1段階ですから、かなり早期ではありました。
治療は内視鏡手術と投薬で何とかなるだろうと安心していたのですが…
近くの大学病院で内視鏡検査をすると、思ったよりガンの湿潤が深く、ステージ2期に入っていると診断されました。
ステージ2期になると、3人に1人は亡くなります。
手術も内視鏡手術ではなく、開腹手術になりますし、投薬も抗がん剤を使う可能性があります。
医者の不養生ではありませんが、自分自身が病気になるとは考えてもおらず、目の前が真っ暗になってしまいました。
次回の検査は1週間後で、手術は来月に決まりました。
私は、突然の出来事に動転して、嫁にも言えず父に泣きつきました。

俺、胃がんだって…
どうしよう…

男がメソメソするもんじゃない!
私の知り合いで、霊媒師に脳腫瘍を治してもらった人がいるから聞いてみよう。
父に励まされ少しは我を取り戻しましたが、西洋医学にどっぷり浸かっている私が冷静な時なら、霊媒師なんて信じるわけがありません。
しかし、その時の私はワラをもすがる思いでしたから、ダメ元でその霊媒師さんに会ってみようと思ったのです。
次の日さっそく霊媒師さんの元にでかけました。
場所はかなりの山奥で、4WDが必要かと思えるほどの悪路を長時間走りました。
胃の痛みがひどかったところに悪路で揺らされたものですから、途中で何度も嘔吐し、必死の思いでやっとたどり着いたんです。
教えてもらった場所に行くと、そこは牧場でしたが、広い牧草地の中に小さな家が1軒建っているだけで、牛も馬も羊も動物らしきものは何もいません。
私は戸惑ってキョロキョロしていると、農作業の恰好をした70代後半ほどのおばあさんが声をかけてくれました。

どうしたの?
病気を治しにきたんでしょう?
そのおばあさんに促されるまま、家に入ると、

そこでちょっと待っててね。
おじ~さ~ん。
病気を治して欲しい人が来てるよ~!
と、奥にいるおじいさんを呼んで下さいました。
私は緊張して待っていると、家の奥からジャージ姿の80代前半ほどのおじいさんが現れました。
霊媒師というと、着物を着て首に大きな数珠を下げているような姿を想像していましたが、ジャージ姿というあまりに想定外の人物が現れて面食らっていました。
そして、まだ顔を見ただけで、会話もしていないのに、

う~ん…胃か…
君が心配してるより大した事はないから安心しなさい。
そこで仰向けに寝て。

まだ、会話すらしていないのに、何で胃が悪いのがわかるんだ?
もしかして…本物の霊能力者…
仰向けになった私のお腹に手を当て、呪文のような言葉を唱え始められました。
5分も経つと、胃のあたりが熱くなってきました。
霊媒師のおじいさんは、真っ赤な顔して呪文を唱え続けています。
15分ほど経つと、霊媒師のおじいさんは息が荒くなり、ウッと唸った瞬間、

よし!!
もう治ったよ。
と、息を切らせて横になりながら、そう言われました。
あまりの簡単さに疑問を抱きつつも、不思議な信ぴょう性も感じていたのです。
料金をお聞きする前に始まってしまったので、法外な金額を要求されるのではないかと、恐る恐る尋ねると…

いくらでもいいんだけど、タバコを買いたいから3千円でいいよ。
との答え。
何から何まで私が想像していた霊媒師のイメージとはかけ離れ過ぎて、目が点の状態のまま帰路につきました。
地元に戻ると、真っ先に父に報告しに行きました。
すると、

おっ!
顔色が良くなったな!
メシでも食っていけ。
慰めなのか…励ましてくれているのか…
ただ、父が安心してくれているのだけは分かりました。
そうして、母が晩御飯として天ぷらを出してくれました。
ずっと胃の調子が悪かったので、

天ぷらなんか食べられないよ…
と心の中で思っていましたが、せっかく母が出してくれたものですから無理してでも食べようと、エビの天ぷらを口に入れました。
すると、これが旨いのなんの!
ついつい、出されたものだけじゃ足りず、母の分をもらって食べてしまうほどでした。
確かに、行きの車の中では嘔吐し続けていたのに、帰りは妙に気分が良かったんです。
あれ程キツかった胃の痛みも取れています。

もしかして…
本当に治ったのか?
そんなバカな…
半信半疑のまま、次の検査日がやってきました。
内視鏡検査の最中から、担当のドクターが首を傾げているのを、朦朧とした意識の中で、不思議に思ったのを覚えています。
そして、検査後の説明で信じられない言葉を聞きました。

私もこんなケースは初めてなんで、何と説明していいかわからないんですが…
先週ステージ2だったガンが、ステージ1以下になっています。
これならオペ無しで、点滴と服薬だけで様子をみていきましょう。
完全に治癒していた訳ではありませんが、点滴と服薬だけで済むほど軽くなっていたんです。
そして、その足で霊媒師のおじいさんにお礼をしに行くと、

私は自分が満足したいからやっているだけだよ。
お礼なんかしなくていい。
それより、君はリハビリをするんだろ?
今度は、君が病気の人たちを助ける番だな。
その後の検査でも、悪くなる事は無く、あれから12年経った今でも胃は絶好調です。
霊媒師のおじいさんは、もう亡くなられましたが、命を救っていただいた御恩は一生忘れません。

今度は、君が病気の人たちを助ける番だな。
そして、この有難い言葉も、一日たりとも忘れた事はありません。
私が死んだ後、天国であの霊媒師のおじいさんに会った時に叱られないよう、理学療法士として病気の方々を全力で救う気持ちを忘れずに仕事に励んでいます。
まとめ
私は、幽霊や霊感なんて信じた事はありませんでした。
世の中の不思議な事は全て、錯覚か自然現象だとバカにしていました。
しかし、
理学療法士になってスピリチュアルな体験をするたびに、私たちの目には見えないけれど、霊的な存在が実在するのを疑いようが無くなりました。
そして、これらのスピリチュアルな体験が、私にスピリチュアルケアを学ばせるきっかけとなり、医療人としての責任を毎日ひしひしと感じながら仕事に励んでいます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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